もうすぐ引っ越しのシーズン。これから住む地域と鉄道運賃の関係

日記

普段通勤・通勤通学に普段使いで使っている鉄道。都市部に住んでいる多くの方々にとって自分の生活の一部になっているのではないでしょうか?これから異動・卒業シーズンに向け、新しい住居への移転先を探している方もおられると思います。

もちろんこれから住む住宅環境・家賃など様々な点であれこれ悩むこともあるかと思います。その点では住居を決める参考が欲しくなりますね。住居を決める決定打にはならないかもしれませんが、普段何気なく支払っている鉄道運賃。実は住む地域によって運賃が全然違ってくるのを御存じでしょうか?

距離が同じでも値段が違う鉄道運賃

例えば阪神地域。大阪と神戸を結ぶ鉄道はJR、阪神、阪急の三路線です。(運賃は2026年現在。)

🚆 運賃比較(大阪梅田〜神戸三宮)

鉄道路線片道運賃備考
JR(JR西日本・JR神戸線)420円JR大阪〜JR三ノ宮間の通常運賃(快速/普通など)
阪急電鉄(阪急神戸線)330円阪急大阪梅田〜阪急神戸三宮間(特急/快速含む)
阪神電車(阪神本線)330円阪神大阪梅田〜阪神神戸三宮間(急行/快速)

同時に距離は

鉄道会社距離(営業キロ)
JR西日本(JR大阪〜JR三ノ宮)30.6 km
阪急電鉄(大阪梅田〜神戸三宮)32.3 km
阪神電気鉄道(大阪梅田〜神戸三宮)32.1 km

でここからが本題です。

大阪梅田ー神戸三宮(約32km)と大体同じ距離である大阪難波ー奈良間を比較してみます。

🚆 普通運賃(特急料金なし)の比較(片道)

ルート(普通列車・快速等を利用)片道普通運賃備考
大阪難波 → 近鉄奈良(近鉄線)¥680最も分かりやすい近鉄直通ルート(乗換1回または直通)
大阪難波 → JR奈良(JR線・JR難波経由)¥580JR難波駅からJR奈良駅へ(乗換あり

距離は近鉄で大阪難波ー近鉄奈良間の距離は32.8km、JRだと41.0kmです。この場合、近鉄を参考にします。

大阪から神戸までと大阪から奈良までは大体同じ距離(約32km)ですが、

近鉄線(大阪難波 → 近鉄奈良)
¥680
阪急電鉄・阪急神戸線(大阪梅田 → 神戸三宮)
¥330
阪神電車・阪神本線(大阪梅田 → 神戸三宮)
¥330

2倍強です。大阪難波ー神戸三宮の運賃でも420円と近鉄の運賃の方が1.6倍割高です。同じ大阪から同距離である阪神地域と奈良地域でこれだけ運賃に差がつくのはどうしてでしょうか?

阪神間と阪奈間で違う人口密度

それには鉄道会社の経営環境と路線の性質が関係してきます。阪急阪神はそれぞれ走っている沿線の正確によって違ってきます。阪神は梅田・難波・尼崎・三宮といった繁華街と住宅地を縫うように路線が敷かれています。阪急は沿線に芦屋・岡本などの高級住宅地があり、路線は最短で行けるよう真っ直ぐ敷かれています。

対する近鉄は大阪の河内地域の住宅街を真っ直ぐに突っ切っていますが、途中で山を越えなければなりません。生駒山地という大阪と奈良を隔てる山々がありますが、近鉄はそこを長大トンネルで突っ切り、難波ー奈良間を最短距離で結んでいます。

大正年間に開業して当時はトンネル工事代金が支払えずに、宝山寺のお賽銭を借りて従業員給料をそれで賄ったほど苦境だったようですが、路線に乗客が多く乗るようになり脱した逸話があります。

今では大阪への通勤路線として盛況な路線状態ですが、人口密度はけた違いです。

🧭 近鉄奈良線沿線(大阪〜奈良)と阪神間(大阪〜神戸周辺)の人口密度比較

まずは前提としての人口密度の概略(大阪都市圏と奈良):

  • 東大阪市
    7,800〜8,100 人/km²(大阪高密度エリア)
  • 生駒市
    2,400〜2,600 人/km²(郊外・山地混在エリア)
  • 奈良市
    1,900〜2,100 人/km²(広域型都市)

(東大阪・生駒・奈良はいずれも近鉄奈良線の主要沿線自治体の密度)
※上記概数は最新推計ベースの目安です。


🏙️ 阪神間の主要都市人口密度(兵庫県)

以下は阪神間で代表的・高密度の市の人口密度です(市全体):

都市人口密度(人/km²)説明
尼崎市8,900 人/km²兵庫県内で最も密度が高い都市の一つ(ほぼ大阪市に匹敵)
伊丹市7,800 人/km²阪神南部の高密度住宅・商業都市;東大阪市と類似レベル
西宮市4,800 人/km²大阪〜神戸連続都市帯の中核的都市
神戸市2,700〜2,800 人/km²神戸市全体で計算した平均値(中心部は地区ごとに高密度)
(芦屋市なども4,500〜5,000 人/km²台)同じ阪神エリアの高密度自治体

※阪神間は大阪〜神戸間の沿岸都市が連続するため、市ごとの密度は高く、都市圏としては非常に人口集中が進んでいます。


📊 比較まとめ(人口密度)

エリア代表都市密度密度の傾向
近鉄奈良線沿線(大阪側)東大阪市:約8,000大阪都市圏として高密度
近鉄奈良線沿線(県境〜奈良)生駒市:約2,500 / 奈良市:約2,000郊外〜地方都市の密度
阪神間(最高密度帯)尼崎市:約8,900 / 伊丹市:約7,800阪神南部は全国的にも高密度都市
阪神間(中密度帯)西宮市:約4,800市街地密集だが阪神南端ほどではない
阪神間(広域都市)神戸市:約2,700市全体平均は近鉄奈良線郊外と同等

対する、近鉄奈良線沿線は市ごとの人口が阪神間ほど多くないので、奈良県に入ると郊外化が目立ちます。

生駒市は人口12万人、奈良市は35万人と阪神間に比べて人口が少なくそれだけ乗降人数も比例するのでこの差が運賃に反映してくるのです。

阪神間は人口密度が多い連続した地域を路線に持つので乗降人員も多く、運賃が比較的安く設定できます。対する阪奈間はその路線自体は近鉄の稼ぎ頭ですが、別の付加価値を付けて運賃を高くしないと経営としては成り立っていきません。

まとめ 鉄道の運賃は住居を決める目安になる

ここでは、大阪圏の人口密度と運賃の関係について述べさせていただきました。大阪圏では比較すると都心より北の方が人口密集して、南に行くほど密集度が低くなります。その密集度によって鉄道の運賃の高低が決まってきます。

そうなると、大阪南部を路線に持つ南海は運賃設定が高めで同じ32km(難波~井原里)で650円と近鉄と同等の運賃設定です。京阪の32km(淀屋橋~石清水八幡宮)で440円です。京阪間は人口密度が高いため、運賃が安めで設定されています。

つまり、人口密集地域につれて運賃単価が安く、郊外になるにつれ運賃が高めに設定されていることが分かります。人口が多い都市部は利便なところもある面、ルールや家賃の高さ、住居の狭さがここでも鉄道運賃に反映してきます。

のんびりと郊外暮らしができる地域は一概に言えませんが鉄道運賃が高く反映されて、その分家賃が低く設定されているのが実際のところです。

ここでは京阪神間とそれ以外の地域の運賃格差について記事を書きましたが、これから引っ越しのシーズンに向けて大阪圏への移転に参考になれば幸いです。ここまで記事をお読み頂きありがとうございました。

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